すみっこが怖かった話
高所恐怖症とか閉所恐怖症ってあるじゃないですか。
あんな感じで、私は物心ついた時からつい最近まで、いや今でも若干「すみっこ恐怖症」です。
全部の隅っこが苦手なわけではなく、リビングの隅っこに置いたソファは私のお気に入りの場所です。でも駅のベンチのあたりや柱の周辺。路地の角っこあたりは、怖い。
単純にゴミやホコリが吹きだまっていたり、駅なんかだと酔っ払いが粗相した後なのか床が黒ずんでたりするのが気持ち悪いのかな、と思ってました。
そういう場所に立つと背筋がゾクゾクするような嫌悪感を感じてしまうのは、多分そういう清潔感の欠如に対する嫌悪感なのかなと。
しかし。
そういう隅っことか、柱がある場所、道の角っこって、「何かがいる!」って思う時も多いのですよ。
悪霊とか幽霊ってほどのものでもなく、まっくろくろすけほど無邪気でもないけど、穢れを集めてきてしまう小動物みたいな。
たまに、うすーく残る人の思念の気配や、妖怪みたいなのや、亡くなった方なのかなと思う人の気配を感じることもあるけど、だいたいにおいてそんなに逃げなきゃいけないほど怖いものでもない。
でもほら、町中でゴキブリとかドブネズミ見つけちゃったら、「ギャ!」ってなって逃げるでしょ?
感覚的にはあれにとても近いんじゃないかなと、すみっこに感じる恐怖感を脳内で味わい直しながら考えました。
単に変なところが潔癖症なだけかもしれないが、見えようと見えまいとゴキブリやドブネズミはやっぱりごめんなので、これからもそっと避けて通ることにします。
キノコでした。